「えっ」「はっ?」







あたしと蓮見の声が重なる。




な、なんで橋口さん、吾郎のこと知ってんの!?




誰にも言ってないのに!?






すると橋口さんは、意味深な笑顔をあたしに向けてきた。







「実は、こないだの日曜日、見ちゃったんだよねー。

清水さんが、年下っぽい可愛い男の子と歩いてるとこ!」






「うっ」






あたしの口から呻き声が洩れた。





そうだ。



たしかに、先週の日曜日は、吾郎と一緒に街に買い物に行った。





吾郎はほとんど身一つでうちに転がり込んできたような状態で(アパートが職場から遠くて帰るのが面倒だから、らしい)、服とか生活用品を買いに行ったのだ。