「ケータイいじるほど暇なんだな。

仕事ならいくらでも余ってんぞ?」






「ひっ、暇じゃないっつーの!

時間みつけて返事してるだけじゃん!」






別に仕事中にちょっとスマホ使うくらい、問題ないでしょ!?





必死に弁明するあたしに、蓮見はにっこりと極上の笑みを向ける。




そして、手に持っていた書類の束を、どさりとあたしのデスクの上に置いた。







「よし、そんなお前には、消費者アンケートの集計をやってもらおう」






「はぁっ!?」







300枚くらいはありそうな紙の束。




近くの書店の文具コーナーに置かせてもらっていたアンケート用紙だ。




手書きのアンケートなので、お客さんの文字を一枚、一枚解読して、エクセルに打ち込んでいくという作業が必要になる。