壁の掛け時計を見ると、すでに0時を回っている。






「………だれ? こんな時間に……」






あ、また独り言。



いかん、いかん。






のろのろと立ち上がって、バッグのポケットからスマホを取り出す。





画面を見た瞬間。







「ーーーーーは……、えっ!?」







驚きの声が、口から飛び出した。




思わず、スマホを落としそうになる。






でも、その間も、催促するように着信音が鳴り続けているので、あたしは慌てて通話ボタンを押した。







「………えー、あー、もしもし………?」






『あっ、朋ちゃん!?』






夜中とは思えない、あっけらかんと明るい声が、電話の向こうから飛び込んでくる。