「………ふん。まあ、いいんじゃねえの」




蓮見は軽く笑い、言葉とは裏腹に、なぜか報告書を突き返してきた。




「………え?」




怪訝な顔をするあたしに、蓮見がにっこりと笑いかけてくる。




「人数分、コピーもよろしく」



「………はっ!?」



「お前、どうせヒマだろ?

俺、今から製造部のほうに行かなきゃいけないからさ」



「なっ、なんで蓮見が製造部に行くわけっ!?」



「俺、製造部の部長に気に入られちゃってるからさー。

ときどきヘルプ頼まれてるんだよ」



「………まじでっ!? あの偏屈者の製造部長に?」



「そーなんだよなー。

あーあー、デキる男はつらいぜー。

お前みたいに中途半端だったら、大して仕事しなくて済むのになー」




―――――くぅっ!!


いちいち嫌味ったらしいヤツ!!!