「………ほら、見てみろ。

安っぽいもん使ってるのは、年寄り連中だけなんだよ」






蓮見が満足げに笑う。







「若いやつらは皆、長く使える品質のものを、大事に愛用してる。


書けりゃ何でもいいっていう価値観じゃない。

自分にとって使いやすい、気に入ったものを見つけて、愛着もって使ってるんだよ」







これほど明らかに見せつけられると、お偉いさんたちも返す言葉がないらしい。



呆然としたように、若い社員たちの手もとを眺めていた。






「意味のない議論にさく時間はないんだ。

いちいち俺の企画に難癖つけるのは、いい加減やめてくれ。

時間がもったいなくてしょうがない」






蓮見が臆面もなく言い切る。