―――今日も、蓮見節全開ですね。



絶好調な蓮見は、こんなもんでは止まらない。






「―――第二に。

先ほど、原価率がなんたらと仰っておられましたがね。


確かにこの新ブランドに含まれる商品のいくつかは、通常よりも原価率が大きくなっているのは認めます。

しかし、それには勿論、私の確固たる考えがあります。


何度も申し上げている通り、消費者は今、多少値が張ったとしても、質の良いものを求めています。

ただし、20代後半から30代前半の消費者は、単色ボールペンに1000円を超える価格設定をしてしまうと、どんなに品質が良くてもなかなか購入まで踏み切れないでしょう。

ですから、質を落とさずに、しかし消費者の購入意欲を減じない価格で商品を提供しなければならないんです」