――――えーと。



誰ですか、これ………?





ほんとに、蓮見ですか?



あの傲慢自己中横暴男の?






まさか、あたしのことからかってるんじゃ、と思って、まじまじと蓮見を見上げるけど。




そこには、あくまでも柔らかい表情しかなかった。





気づかわしげに細められている優しい瞳と、今朝ベッドの上であたしを見つめていた艶めいた瞳が、重なる。








――――どくん、と心臓がジャンプした。





そのことに動揺したあたしは。







「あっ」







路肩の盛り上がったところに足をとられて、思いっきりつまづいた。