「………分かったよ、作るよ!!

その代わり、あたしが作ったもんに文句つけないでよね!?」






と叫んだのは、もちろん、蓮見の元カノの話を思い出したからだ。



傲慢で横暴で自己中な蓮見は、恋人が作ってくれた料理に、まったく遠慮なく難癖をつけ、こきおろす、っていう話。





襲われた上に手料理をコケにされたのでは、いくらなんでも報われなさすぎる。





でも、そんな女心は、蓮見には伝わらなかった。






「何ふざけたこと抜かしてんだよ、清水。

俺は嘘をつかない男だ。

まずかったら正直にまずいと真実を教えてやるから、安心しろ」






――――でしょうね。


蓮見だもんね。




あなたにそんな気遣いを一瞬でも求めたあたしが馬鹿でした。