硬直していると、蓮見がすっと手を伸ばして、あたしの頬に触れてきた。
細くてしなやかだけど、長い指、そして大きな掌。
この手が、さっき、あたしの胸を………。
「………ぎゃあぁぁーーっ!!」
我ながら可愛らしさのかけらもない叫び声を上げ、あたしは蓮見の顔を平手で引っぱたいた。
間一髪でよけた蓮見が、目を瞠ってあたしを凝視する。
「…………なんで叩くんだよ!?」
「あんたがいけないんだよ!!」
「何がだよ!?」
とか訊かれても、正直に答えられるはずがない。
『あんたの顔見ると、さっきのこと思い出して、どきどきしちゃうから、近寄るな』
なんて………言えるかっ!!