でも、たしかにあたしも、お腹が空いている。




しょうがないから、蓮見の犯罪まがいの行為には目をつぶって、最低男と朝食を共にすることにした。




蓮見が寝室を出るので、あたしもそれについて行く。







「………あー、だる。

完全、二日酔いだな、これは………」







蓮見はぶつぶつ言いながら、よれよれになったTシャツの裾から手を差し込み、お腹のあたりをぼりぼり掻いている。






――――また、意外な一面。




会社では、いっつも身ぎれいにして、上質なスーツを完璧に着こなして、女子社員いわく『超スマートな身のこなし』しか見せない蓮見が。




………家では、こんなにだらけた、というか粗暴な?ふるまいをするとは。






あたしはなんだか可笑しくなって、猫背になっている蓮見の背中を見ながら、小さく吹き出してしまった。