「災難だねー、清水さん」





同期の女性社員、橋口さんが声をかけてきた。



あたしは「ほんとだよ!」と大きく頷き、橋口さんに泣きつく。





「ねえ、聞いてよ!!

あたし今日ね、今度のプロジェクトの企画書と、来週のプレゼンのスライドも作らなきゃいけないんだよ?


それ知ってるのに、蓮見の馬鹿は、あたしに会議資料の修正を命じたんだよ?

同期のくせに、えっらそーに!!


マジであいつ、鬼だよ!!」






「よしよし。でもまあ、蓮見くんの横暴は今に始まったことじゃないしねえ」






「ああ、ほんと、どうにかならんかな、あいつ……。

星野さんの爪の垢を煎じて、蓮見のコップに忍ばせてやろうか………」






あたしが真剣にそんな目論見をしていると。