* 「………ん……」 自分の口から洩れた声で、あたしは目を覚ました。 まだ夜は明けていないらしく、周囲は闇に沈んでいる。 見えるのは、ベッド脇の窓にかかっているカーテンの、細い隙間から洩れる弱々しい明かりだけ。 しばらくその光をぼんやりと見つめていたあたしは、ゆっくりと頭が覚醒していくにつれ、なんかおかしいぞ?と気づいた。 あたしの住むアパートの寝室には、窓はんてないのだ。 それに思い当たったとき、あたしはかっと目を見開いた。 ………えっ? ここ、どこ!?