「あ、もうこんな時間だ」




「店、戻るか?」




「うーん……」





なんとなく、主任と同じ空間に戻りたくない。



あっちも気まずいだろうし………。





そんなあたしの気持ちが伝わったのか、






「じゃ、このまま帰るか?

どうせあと10分くらいでお開きだろうし」






蓮見がそんなことを言った。




たしかに、もう会計は済んでるし、荷物も持ってきてるし、いつもどうせ流れ解散だから、問題ないかも。






「うーん……それでもいいかな。

微妙に飲み足りないけど」






そう、主任のセクハラのせいで、あたしは気持ちよく飲むことができなかったのだ。




すると蓮見が、「じゃ、二人で飲み行くか」と、珍しいことを言い出した。