「そうやって、ひどいことされても泣き寝入りするやつばっかりだから、いつまで経っても現状が改善されないんだよ。

とりあえず目の前の火の粉が消えるのを待ってるだけだから。


その火の粉が他の人間に被害を及ぼすかもしれないってことを、ちょっとでも考える頭があれば、自分がなんとかしないといけないって思うはずなのに」






「……………」






あたしは言葉もなく、俯くことしかできない。




自分が何も行動を起こさないことで、他の人にも影響が及ぶかもしれない、なんて。



正直、思いつきもしなかった。






「…………うん、そうかも」






蓮見の言葉は、いつも正しい。



思いやりのかけらもないけど、たしかに正しい。