―――そうなんです。


何を隠そう、あたしはバリバリの「優等生」なんです。



頭脳明晰(学年一位を独占)。


眉目秀麗(……これは言い過ぎか)。


運動神経も抜群(とまではいかないけど)。



うーん、参っちゃうねこりゃ。

絵に描いたような優等生だよ、ほんと。



しかも、とっつきにくいただの真面目ガリ勉ではなく。



気さくに話せて冗談も通じて、そこそこ面白い、おしゃれにもちゃんと気を遣っている、ちょっとくだけた優等生。



そんなの、先生からも生徒からも、女子からも男子からも好かれるに決まっている。



というわけで、あたしはもはや、学年中で知らない者はないというほどの、有名人となっていた。



あたしが校内を歩くと、いろんなところから「小林!」とか、「七瀬!」とか、「小林さーん!」と声が上がる。



いやはや、人気者ってのも大変だよ。



しかも、先生の言うことにいちいち反抗的になっちゃうようなひねくれたヤツまで、不思議とあたしには心を許しちゃったりするから、先生たちからも一目置かれちゃうんだよねー。



まったくもう、ここまできたら、才能だね。


天性の優等生体質だよ、あたしは。