「おーい。コバヤシー、ちょっといいかー?」
お次は、担任の佐野先生のお出ましだ。
にこっと人当たり良く笑って、「なんですか? 先生」と振り向くと。
先生は、手に持ったプリントをあたしのほうに差し出してきた。
「これ、体育祭のルールブックなんだけどな」
「はい」
「これ、お前からみんなに説明しといてくれないか」
「え、私がですか?」
あたしは思わず訊き返す。
佐野先生は、さも当然、といったように頷いた。
「お前、学級委員長だろ」
「いや、そうですけど。
でも普通は先生が説明するものでは」
「だってみんな、俺の話より、お前の言うことのほうが聞くじゃないか」
「先生ってば、ご冗談を」
「冗談じゃないよ、本気だよ。小林ときたら、まったく担任の俺より人望あるんだもんなあ」
「えー、そんなことありませんってー」
あたしはオトナ受けのいい、利発そうな笑みを浮かべつつ、先生からプリントを受け取った。
お次は、担任の佐野先生のお出ましだ。
にこっと人当たり良く笑って、「なんですか? 先生」と振り向くと。
先生は、手に持ったプリントをあたしのほうに差し出してきた。
「これ、体育祭のルールブックなんだけどな」
「はい」
「これ、お前からみんなに説明しといてくれないか」
「え、私がですか?」
あたしは思わず訊き返す。
佐野先生は、さも当然、といったように頷いた。
「お前、学級委員長だろ」
「いや、そうですけど。
でも普通は先生が説明するものでは」
「だってみんな、俺の話より、お前の言うことのほうが聞くじゃないか」
「先生ってば、ご冗談を」
「冗談じゃないよ、本気だよ。小林ときたら、まったく担任の俺より人望あるんだもんなあ」
「えー、そんなことありませんってー」
あたしはオトナ受けのいい、利発そうな笑みを浮かべつつ、先生からプリントを受け取った。