服を着替えて顔を洗って朝ご飯を食べて、学校に向かっている途中、昨日と同じように龍平と出会った。
偶然……と言うには、いかにも私を待っていた様子で、歩道の真ん中に突っ立っているから、やっぱり私を待ってるのかな?
ま、どうでもいいや。
私は龍平を無視して歩き続けた。
「お、おい! そりゃないぜ留美子! 待てって」
いったい何なんだか。
昨日はこいつのおかげで一度は命拾いしたけど、それを知っているはずがないし。
「あーもう。朝からうるさい。何だってのよ?」
道の反対側から走って来た龍平に、そっけない態度で尋ねる。
運良くカラダをひとつ見つける事ができた私は、わけの分からない優越感に浸っていた。
「いやな、昨日東棟の三階で見つけたんだって! あれがたぶんカラダだと思うんだけどよ」
え! マジで!?
私のこの優越感はなんだったんだろう……。
「そうなの? で、どこの部分?」
「どこって……もしかして留美子、カラダがバラバラになってるの、知ってんのか?」
知ってるも何も、私は自分のカラダをひとつ見つけたもんね。
「知ってるっての。で、どの部分?」