ドサドサと、中々に激しい音がしたけど関係ない。


だって、赤い人は西棟の三階にいるんだから。


一列に並んでるロッカーの上を処理して、一息ついた私は床に散乱した物に携帯電話の画面を向けた。


何かの書類に、使い方が分からない計器、古い鉛筆削りなんかもあるその中に、それらとは相容れぬ奇妙な物体が混ざっていたのだ。


床に散乱する物の中にゴロリと転がるそれは、まぎれもなく人間の腹から胸の部分。


さっき見つけた腕とは違う……何か、懐かしいような異様な雰囲気を感じる。


「もしかしてこれは、本物のカラダ? ……やった、やったよ私!」


椅子から飛び降りた私は、そのカラダへと駆け寄り手を伸ばした。


すると……そのカラダは、私が近づくにつれ、淡い光を放ち始めたのだ。


やっぱり何かが違う。


そう思ってカラダに触れたとたん、淡い光は激しくなり……そして私の胸に吸い込まれるようにして消えた。


「……何? 今の。カラダはどこに行ったのよ?」


そう呟いてみたものの、確かに感じる胸の部分の存在感。