あんな事を言ってしまった美雪への後ろめたさもあるし、罪滅ぼしに助けたいという気持ちもある。


でも、どうせなら美雪の前で堂々と助けた方が印象に残るよね?


……なんて、考えてる暇はないんだ。


美雪を助けるか、このままここを調べるか、私は悩みながらその場に立ち上がった。


それからしばらく考えた私は、「殺される」という恐怖に勝てずに、振り返る事ができなかった。


美雪には悪いと思うけど、誰だって死にたくないよね。


私は悪くないと自分に言い聞かせて、ロッカーの上の箱を調べ続けた。


「こんな所にあるのかな……ダンボールの中にカラダなんか入れるかな普通」


そんな状況が日常生活の中にあるはずがないけど、何のヒントもなく探すというのは精神にくる。


どれだけ調べても、そんな物なんか出てこないんじゃないかと思ってしまう。


2個、3個とロッカーの上から下ろし、中を調べても、この作業自体が無意味なんじゃないかと思えてくる。


「あーもう! 面倒くさい!」


美雪の事と、箱の多さにイライラしたからか、私は椅子の上に乗り、箱を次々と床に落とした。