そりゃあ、謝ったけどさ……私だってあんな事を言われたら怒るよ。
「あー、やだやだ。ウジウジ考えるのは私の性に合わない! 見つければ良いんでしょ、本物のカラダを!」
そうだよ、美雪がどうだって、カラダが全部見つかればそれで終わるんだから。
工業棟の職員室に入り、調べる事10分。
真っ暗な部屋の中でひとりでカラダを探すというむなしい作業に、私はもう飽きていた。
「ロッカーの中には何もないし……この部屋、どうしてダンボールがこんなにあるのよ!」
ロッカーや棚の上に、これでもかと言うほどのダンボール箱や収納ケースが置かれていて、何か踏み台がなければ私ではそれに届きそうにない。
こんな所にあるような箱を調べるのは後にして、手が届く範囲で調べようかな。
でも、それだと調べ方が中途半端になっちゃうし、また誰かに文句を言われそうだから、どうにかして調べておかないといけないかもしれない。
……面倒くさい。
そう思いながら、ゆっくりと部屋の中を回り、椅子をつかんで、軽そうな箱から調べる事にした。
重いのは無理としても、軽い物なら簡単に調べられるよね。
いっそ、この部屋にカラダが全部隠されていれば話は簡単なんだけどさ。
そんなに簡単な話じゃないよね。