例えば、腕がふたつ、脚がふたつ、胴体がひとつと考えると、ひとり分につき5つ。


それが5人で……25個!?


「少なくとも25個以上はあるって事だよね。この校舎に25個だから、適当に探してもすぐ見つかるはずなんだけど」


じゃあ、あゆみや健司はそろそろ見つけててもおかしくないって事かな?


「まあ、ひとりが一日一個見つければ十分間に合うって事だよね。余裕じゃない」


「……そんなに簡単じゃないと思うよ? 赤い人もいるし、カラダが見つかれば見つかるほど、残りを見つけるのは難しくなるし」


教室の中を調べながら、淡々と話す美雪。


残念ながら、私がその意味を汲み取れるほど頭は良くない。


「とりあえず、考えてても仕方ないよね。探そ探そ」


「……明日の昼にでも話そうかな。皆にも教えないといけないしさ」


うん、そうしてもらえると助かるかな。


この状況でじっくり考えられるほどの余裕はないのだから。


ロッカー、教壇、ゴミ箱の中と、室内をくまなく調べてみたけれど、カラダは見つからなかった。