あれが私達の探しているカラダなのか、ただの偽物なのかは分からないけど、それらしい物は見つけたんだよね。
「えっとねぇ。二階の一番端の教室に、それっぽいのがあったんだけどさ。押しても引いてもビクともしないの」
「えっ!? ……えー。何それ。喜ばせておいて、ガッカリさせようってやつ?」
うーん、私にも良く分からないから何とも言えないんだけど。
「でもさ、超リアルだったんだよ。爪とか毛とか、触った感じも人間の手みたいだったしさ。あれは男の腕だよ」
私がそう言うと、美雪は何かを考えるようにその場に立ち止まった。
「それってつまりさ、カラダは首から下のひとつじゃなくて、何個にも分けられた物だって事? それが偽物だとしても、本物に似てなきゃ偽物じゃないんだしさ」
美雪が不安そうにそう言ったけれど……私は何の事だかさっぱり分からなかった。
「あー、なるほどね。本物にそっくりだから偽物ってわけだ。ん? と、なると……カラダっていったい何個あるわけ?」
美雪が説明してくれて、事の重大さをようやく理解した私は、足りない頭で少しは考えてみた。