「赤い人を見ちゃったの!? 振り返らないでよね。私まで死にたくないから」
これは……一緒にいて良いって事だよね?
さすがは美雪、これは絶対に振り返らないように気を付けないといけないね。
美雪が不安そうな表情を浮かべて、その場に止まっていた私の横を通り過ぎる。
「良かったよ美雪。やっぱりひとりは心細かったぁ」
「分かったよ、とりあえず教室の中に入ろう。赤い人が来ないとも限らないしさ」
美雪の言葉に、私は反射的に耳を澄ませた。
……けど、あの歌も、笑い声も聞こえない。
「まだ来てないみたいだけど……隠れた方が良いよね」
先に教室に入った美雪に続いて、私も室内へと足を踏み入れた。
美雪と一緒に入った階段の隣の教室。
良く良く考えれば、赤い人が追いかけて来た時に、三階だと西棟から他の棟には行けないんだよね。
まあ、美雪が嫌がらなかったから良かったものの、別にここに来る必要もなかったかもしれない。
「それにしても、カラダってどこにあるんだろうね。まだ一部屋しか調べてないから、見つからないのも無理はないけどさ」
あ、言うの忘れてた。