それでも、もっと姿を見ていたい、話したいという想いが強くて。
雨がまた強くなっても、龍平をずっと見ていた。
近付きもせず、離れもせずに、ただ立ったままで。
そんな中、最初に動いたのは……龍平だった。
「夕方4時にここで待ってる! 約束だからな! 絶対守れよ!」
そう言って、大きく手を振って走って行った龍平を、私は涙を流して見送った。
遠い昔に交わした約束。
誰かに言われた、「幸せになってね」という言葉が、この事だったのかなと考えながら、龍平の背中に手を振った。
約束……守るからね。
end
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