そんな私達が、同じ高校に行く事を知ったのは、受験日当日。
だけど、会話なんて一度もなかった。
高校に入り、さらに私の世界は広がった。
テストでいつも赤点ばかりの、補習常連の高広。
仲が良いわけじゃないけど、悪くもない。
くだらない事を言い合う友達として、それなりに一緒に行動するようになった。
私にとって都合が良かったのは、結子の彼氏の武司と仲が悪くて、いつも衝突しているから。
喧嘩になっても、いつも高広が勝つし、私まで結子に勝った気がした。
だけど……私は、その時の結子の顔は見る事ができずに、いつも興味がないふりをしているだけ。
どうしてこんな世界になったのだろう。
ここは私が望んだ世界じゃないんだろうなと、小学生の頃を思い出す事も多くなった。
人には人の、それぞれが思い描いた世界を持ってるなんて夢みたいな話、この時にはもう、本気で思っていたわけじゃない。
世界はひとつしかなくて、今、私がいる世界がすべてなんだって。
大きくなるにつれ、それが現実と分かってきた。
そして、高校2年の11月29日の朝。
妙な夢を見た私は、胸の痛みと共に目を覚ました。