私を見下ろして、4人が優しく笑いかけてくれる。
会えないと思ってたのに……なんだ、皆いるじゃない。
「ほら、あの光が見える? 森崎さん達が、終わらせてくれたのよ」
美紗が指差した空……星空に向かって伸びる一筋の光を見つめて、私は小さくうなずいた。
「留美子、頑張ったね」
「ありがとうね、お兄ちゃんを恨まないでくれて」
あゆみも美雪も、今さらそんな事、言わなくても良いよ。
そして龍平……。
「ほら、立てよ。いつまでそんな所にいるつもりだよ」
また、私に手を差し伸べてくれるんだね。
せっかく龍平と手をつなげるのに……もう手を動かす力もないよ。
「皆……ありがとう。私なんかを信じてくれて。わがままで自分勝手だったよね……」
そう言おうと、口をパクパクさせている間にも、空間のヒビが大きくなって……ボロボロと崩れ落ちている。
ああ……美紀と美子の「呪い」で歪んでいた世界が、これでようやく終わるんだ。
皆とまた……会えると良いな。
たとえそれが、誰かの意識の中でも。
最後の最後で、差し出された龍平の手に、ついに触れる事ができずに。
11月28日20時12分。
私の命の火は消えた。