お墓の場所を知ってるあんたがいないと、どこを掘れば良いか分からないでしょうが!
「すまねぇ。結子を逃がしたら戻って来るからよ、それまで死ぬんじゃねぇぞ!」
「い、良いのかい!? ふたりで墓を掘り起こすなんて、どれだけ大変な事か! 道具だってないし!」
八代先生がとまどいを見せるけど、結子があんな調子だと武司は動かないと思うから。
何としてでも、私と先生でやるしかなかった。
山を登り初めて5分。
小さな広場にたどり着いた時、先生が石碑のような岩を指差した。
「あ……あれが美子のお墓だよ……ずっと放置されてた……はずなんだけど」
私も八代先生もフラフラで、今から墓を掘り返すなんて考えたくもなかった。
でも、近付いてそのお墓を見てみると……近くにそんなに古くないスコップが置かれていて、土を掘り返したような痕跡が残っていたのだ。
「な、何が放置されてたよ……明らかに……誰か来てるじゃない!」
「お、おかしいな……もしかしたら、森崎さんと三神さんが来たのかな……」