私にとってはありがたいけど、気持ち悪さは火葬の比じゃない。


「ほら、あそこに光が見えるだろ? あの外灯が山への入り口で、そこから入って50メートルほど山を歩けば……」


と、八代先生が、助手席側を指差して説明をしていた時だった。




「おいっ!! 前っ!!」




健司が叫んだ言葉で視線を前に向けると……。















ヘッドライトが、真っ赤な少女が笑いながらこちらを見ている姿を照らし出していたのだ。












「う、うわっ!?」


久し振りに見るその姿に驚いたのか、八代先生が慌ててハンドルを切る。










そして……道路から飛び出した車は土手から落ちて。










1メートル下にある田んぼに突っ込んで、その動きを止めた。


「ってぇ……おい、大丈夫かよ!?」


「あたた……痛いけど、何とか」


柔らかい土の上とは言え、かなりの衝撃があった。


怪我をしていないのが不思議なくらいだけど、のんびりもしていられない。


「何なのぉ!? 先生運転荒すぎるよぉ!!」


いや、今のは八代先生の運転技術は関係ないと思うけど……。