西棟と東棟で違うとは言え、同じ階に赤い人がいるのに叫んでしまった。


もしかして聞こえたかも?


なんて思っていたけど、どうやら気付かれてはいないようだ。


「危ない危ない。それにしても……カラダを探せってこういう事なの!? バラバラじゃないの」


恐る恐るロッカーの中に再び携帯電話の画面を向けると……その光で照らし出された人間の腕が浮かび上がる。








これは、マジで勘弁。


気持ち悪くてとてもじゃないけど触れそうにないよ。


それでも、このまま放置しておくわけには行かないし。


床を這いながらロッカーに近づき、その腕を見ると……どうやらそれは、男の手のようだ。


ゴツゴツしていて、手の甲には毛が生えている。


「健司か龍平の手なんだろうけど、本物?」


運良く見つけたってのに、こんな状態で隠されてるなんて最悪だ。


でも、これをどうすれば良いんだろう?


まさかカラダの一部を持って、他のカラダを探さなきゃならないの?


「まあ、どこかに置いておけばいいか。嫌だけど、届けてあげないとね」