「さっさと行くぞ! もう外は真っ暗なんだぜ? 寒いのに、きもだめしなんてしたくねぇけどな」


真っ先に駆け出したのは武司。


それに続いて皆階段に向かって走り出した。


私は……階段までやって来ると、美雪と翔太がいるであろう屋上の方に顔を向けた。


美雪が死んで悲しくないわけじゃない。
ずっと一緒に「カラダ探し」をしてきた友達だし、離れたくないという気持ちもある。


だけど……私のために、死ぬ事を選んだ美雪の気持ちを無駄にしたくはないから。


「翔太、美雪は任せたよ」


そう呟いて、階段を駆け下りた。


生徒玄関に到着すると、すでにそこに車を回していた八代先生が、私に手招きをする。


皆は後部座席に乗り込んでいて、私は助手席に。


「小野山家で明日香達を降ろした後にお墓に行って!」


バタンとドアを閉めて、急かすように言うと、八代先生も慌てて急発進。


シートに張り付くような感覚に襲われて、落ち着いたのはしばらくしてから。