でも、これで良いんだよね?
あの時美紗が言った言葉が思い出されて、私はそれを口にしただけ。
「小野山家に地下室なんてあったかな? そこに壷がある事を知ってるくらいだから、留美子は知ってるんでしょ?」
ああ……そうか。
あの地下室は棚でふさがれていて、誰も入り口を知らないんだ。
「えっと……玄関から入って、階段の横にある倉庫の一番奥なんだけどさ」
美子が美紀に閉じ込められた幻を見たあの場所だ。
「それなら私と遥が地下室に行くよ。高広も来てくれたら安心だし。それに……あのお墓はちょっとね」
何? そんなに気持ち悪い墓地なの?
でも、あの地下室もかなり不気味だしなぁ。
どちらに行っても気持ち悪いなら、待つだけの地下室には行きたくない。
明日香がそう言ってくれるなら、私はお墓に向かおう。
それを決めて、八代先生に送ってもらうために生徒玄関へと向かう事になった。
私と一緒にお墓に行くのは、八代先生と武司と結子。
このメンバーの中で、詳しい場所を知っているのは八代先生だけ。