突然の私の言葉に、とまどっている様子の八代先生。
だけど、知らないと即答しないところを見ると……知ってる!
「この美子の心臓を、美子の身体に返すの! だから、知ってるなら教えてよ!」
中庭から掘り出した美子の心臓。
それを皆に見せると、明日香と結子が小さく悲鳴を上げる。
でも、「カラダ探し」をやった事があるためか、パニックを起こすほどの衝撃はなかったみたいだ。
「そ、それを美子に返す事ができれば、『呪い』は解けるのか……?」
私の言葉が足りないせいか、半信半疑で心臓を見つめる八代先生。
こんなにのんびりしてられないのに。
屋上に行った高広が戻って来てるって事は、「赤い人」はもうどこかに移動してるってわけで、今もどこからか、私達を狙ってるかもしれないのに!
「だからそうだって言ってんでしょ! 知ってるの!? 知らないの!?」
相手が先生だろうが関係ない。
私がそう言った時……背後から、何か物音が聞こえた。
キュッ……。
キュッ……。
階段の方から、靴が擦れる音。