「うわぁ……失敗したなあ。でも、今さら変わってくれなんて言えないし。どうかこっちに来ませんように」


私は祈りながら、どこから調べようかと長い廊下を南に向かって歩き始めた。


この廊下の突き当たりは、昨日私が殺された場所の上の階になる。


まずはそこに行って、端の教室から調べた方が良いかなと思って。


暗い廊下を歩いていると、怖くて少し早足になってしまう。


「あー、やだやだ。最初の教室にカラダがないかな。それなら楽なのに」


そんな事を呟きながら入った一番奥の教室。


ドアを閉め、明かりのない教室の中を見回しても、それらしい物はない。


ま、あっても困るんだけどね。


だって、首が生徒玄関にあるって事は、カラダには首がないって事でしょ?


そんなのがここにあったら、気持ち悪くてたまらないよ。


と、携帯電話を取り出して、入り口の横に備え付けられたロッカーに目をやり、何気なくそれを開いた。


そして、携帯電話を向けた私は……。

















「ひ、ひやああああああっ!!」















その中にあった、何かを訴えようとする人間の腕を見て悲鳴を上げた。


驚いて腰を抜かした私は慌てて手で口をふさぎ、床に座り込んだまま周囲の音に耳を澄ませた。