「龍平……」
「……ここまでだな。留美子、絶対に約束は守れよな」
そう言って、心臓を持つ私の右手に手を添える。
「約束って……何かした?」
いつ、どんな約束を龍平としたのか思い出せないのに、手は壷の上に移動する。
「覚えてないのかよ……言っただろ? カラダ探しが終わったら、ヤらせてくれるってよ」
龍平はそう言って、私の手から心臓を払い落とした。
「キャハハハハハハッ!!」
赤い人が地下室に入って来たのか、笑い声が部屋中に響き渡る。
でも、心臓が壷に吸い込まれて。
そこから光が溢れて、私が最後に見たものは……。
優しく私に微笑みかける、龍平の笑顔だった。