「キャハハッ!! アハハッ!!」















鎖から解き放たれた獣のように、一直線に私に向かっている。


笑い声を上げ、醜悪な笑顔を浮かべて。


カラダ探しをやっていた時のような、ビシビシと伝わってくる殺意は感じない。


その代わり、不気味さと怖さが増している。


夜に、血まみれの女の子に追いかけられる。


学校から外に出てしまえば、それがいかに異様な状況かという事を再認識させられた。









……なんて考えてる場合じゃない!









校門の前を利用して向きを変えようとしたその瞬間。


東棟の一階から、赤い人に向かって飛びかかる人影が見えたのだ。









「うがあぁぁぁっ!!」











両腕がなく、それでも赤い人に襲いかかったのは……健司だった。


カラダ探しが始まって、生徒玄関で分かれてから見ていなかった健司が……生きてた。


腕を失って、どうやって赤い人に殺されずに生き延びたのかは分からない。


もしかして、美紗が言ってた山岡泰蔵ってやつのおかげで?


でも……今の健司は動くのも精一杯といった様子で、龍平が言うようなおかしなったという印象はない。


赤い人に頭からぶつかって、倒す事はできたものの……赤い人はすぐに起き上がり、健司をにらみつけて笑ったのだ。