なんて考えながら、校門の方を向いてみると……まだ赤い光の幕がそこにはあって、この空間から出る事ができないという事を教えてくれている。
「まだ出られそうにないよ!?」
と、いう事は、美紗がまだ生きているという証拠なのだろう。
この光が消えれば……美紗の命が消える。
そう考えると、心のどこかで、消えてほしくないと祈っている私がいる事に気付く。
しばらくして……その時が訪れた。
いつか、大職員室で見た光景。
カラダ探しのこの空間が、大きくヒビ割れ始めたのだ。
「ね、ねえ……これってもしかして……」
あの時、これと同じ物を見た美雪が口を開いた。
そこから先は何も言わなかったけど……考えている事は皆同じなのだろう。
美紗が……赤い人に殺されたのだ。
赤い人の心臓なんて気持ち悪い物を渡して、私達の知らない所で赤い人に殺されて。
あんたの人生、このためだけのものだったの?
美紗が死んだなんてまったく実感が湧かなくて、この空間が崩れたら、また明日の朝になるんじゃないかと思うけど……。