「……山岡泰蔵は、杉本君の祖父の兄。美子と一緒に殺されて、美子を守るためにさまよっていたの。もちろん、元の世界でね」


な、何か重い話の予感……。


「美子を守るためにって……赤い人に向かって行ったんじゃないの? 仲良く私達を襲おうとしないよね?」


「泰蔵は……きっと美子を助けようとしてる。杉本君が、美子には悪霊が取り憑いている事を知ったから、泰蔵も気付いたのね。だから、『悪霊』赤い人に向かって行ったの。もちろん、杉本君がそれを望んだのかもしれないけど」


理屈は良く分からないけど、探すのは今しかないという事は分かった。


指定された場所を穴だらけにした私達は、最後に残った岩を、立ち上がって見下ろしていた。


「結局ここが残ったのかよ……」


美雪と美紗が指定した場所にあった小さな岩。


この中庭に、何個か同じような物が置かれていて、パッと見は怪しいように見えないけど。


こうしていざそれが残ると、やはりあやしいのだというのが分かる。


龍平が岩を持ち上げようと、かがんでつかむけど……いったい何キロあるのか、その岩は動かない。