「どうせ分かれるなら、誰と行っても同じでしょ。探すのはひとりでなんだからさ」
あゆみの言葉でやっと理解したのか、驚いたような表情を一瞬浮かべる龍平。
仲良く二人一組で探すとでも思ったのか……。
だとしても、5人しかいないんだから、ペアを作ってもあんたが余るんだけどね。
「なんだそうか。そうと決まればさっさと行こうぜ。嫌な事は早めに終わらせるに限る」
「いつ赤い人に襲われるかも分からないしね。しかも、天井とか走ってくるし。どこに注意すれば良いか分からないよ」
と、あゆみが溜め息を吐いたけど……その言葉にうなずいたのは私だけで。
他の3人は、どういう意味だ? と言ったような表情をしていた。
「何? 天井を走るって、どういう意味?」
「え……いや、私は赤い人が天井を走って、あゆみを追いかけてるの見たんだけど、皆はどうだったのさ?」
「どうって……そりゃあ普通に床を走ってだろ。そんな事は早く言ってくれ」
私の言葉に、健司が慌てて答える。
見つかったら追いかけられるんだから、どこを走られても同じじゃないの?