でも、ここに龍平とあゆみがいるとなると……赤い人にあの声を出させたのは健司?
「ま、まだ見つからないのか!? 健司がとんでもない事になっちまった!」
慌てた様子で駆け寄って来た龍平が、私の肩をつかんで声を上げた。
「も、ももも、もしかして、カラダがそろう前に赤い人に!?」
考えられる最悪の可能性はそれだ。
もしもそうなら……美紗と美雪がやっている計算も、すべて無駄になるんじゃないの?
私が尋ねると、龍平は大きくブンブンと首を横に振った。
え? 違うの?
だったら良いんだけど。
「カラダはそろった! だけど、健司が頭を回収した瞬間、おかしくなって赤い人がいる西棟に走って行ったんだよ!」
「な、何よそれ! 何考えてるのよ……健司は」
いったい何が起こったのか、美紗に助けを求めようと振り返ってみるけど……まだブツブツ言ってて。
美紗は、健司がこうなる事も、分かっていたんじゃないかと思えてしまう。
「とにかく、ふたりは赤い人を見たの!? 見たなら振り返る事ができないわけでしょ!?」
「それは大丈夫だ。見る前に逃げてきたからな。それより、健司に何が起こったっていうんだよ……」