と思いながら、美紗が指差した先に目を向けると……身体は横を向いているのに、頭部だけが正面より少し右側を向いていたのだ。


「あ、あれっ!? 私、首を回しちゃったのかな?」


持ち上げた時に、頭の前が重くて回転したとか?


それにしては、向いている方向が最初と同じというか……。


「もう一度、中に入ってマネキンを動かしてくれない? 持ち上げないで、身体だけを回す感じで」


えー……この中は臭いのに。


なんて、わがまま言ってる場合じゃないか。


赤い人のカラダを見つけなきゃ、カラダ探しは失敗に終わるんだから。


今、できる事なら何でもしないとね。


家政学室に入り、再びショーウインドーの中に入った私は、美紗に言われた通り、マネキンを土台ごと正面に向くように回転させた。


すると……。












キキキキ……。














かすかに、金属がこすれるような音が聞こえて……マネキンの首が、さっきと同じ場所を向こうと動き始めたのだ。


「キキキ、キモい!! 何これ!?」