生徒玄関のドアが開くまでの間、皆といられる最後の時間を、何も言わずに過ごした。
しばらくすると生徒玄関がドアが開き、ドアの前に陣取っていた私達は、それと同時に駆け出した。
「じゃああんた達! そこにカラダがなかったら、すぐに言いに来てよ! 家政学室だからね!」
「分かった! 留美子達も頑張ってよ!」
3人とは玄関前で分かれて、私達は西棟へ。
西棟に入ってすぐにある階段を駆け上がり、北側にある生産棟へと走った。
家政学室はすぐそこ。
工業棟へと続く廊下が交わる十字路を曲がり、家政学室の中央にあるショーウインドーの前に到着した私達は、そこにあるマネキンを見上げた。
「暗い所で見るマネキンって気持ち悪いよね……で、どうよ? このマネキンがどうしたの?」
美雪が見たという記憶では、このマネキンの前に赤い人がいたらしいけど。
美紗を見ると、不思議そうに首を傾げて、ジッとマネキンを見つめている。
「……美子は、このマネキンに何があると伝えたいの?まさか、カラダの場所を教えただけなんて事、あるはずがないわ」
え!!
見ても分からないの!?
美紗が分からないなら、誰が分かるって言うのよ!