「とっくに昨日試したよ。でもダメだった。今ついてる照明以外はね」
あまりしゃべらなくておとなしい健司のくせに、やる事が早い!
少し感心しながら、私はどこをどう探せば良いのかと気にしていた。
「よし、適当にうろついてカラダを探そうぜ。どこかにあるだろ」
「龍平、それはダメだよ。考えなしにウロウロしても、誰がどこを探したか分からないでしょ?」
龍平の提案をバッサリ切り捨てた美雪。
こんな時は、やっぱり美雪が頼りになる。
この夜の学校で、私達がどう動けば良いのかを、美雪が詳しく説明してくれる。
やっぱり頭の良い友達がひとりくらいはいないとね。
「とりあえず、手分けして探そう。龍平と健司は東棟、私達は西棟で良いかな? 赤い人に見つからないように気を付けて」
美雪が言った事はたったそれだけ。
詳しいどころか、大雑把過ぎて別に美雪が説明しなくても良かったんじゃないかと思えてくる。
「俺……健司とかよ。どうせなら女の子と一緒に探したかったぜ」
龍平はここでもいつものペースを崩さないんだね。