そして何とかたどり着いた二階。
あゆみの部屋のドアを見てみると、最近付けられたような金属のリングが壁にあって、それとドアノブが、チェーンで巻かれていたのだ。
南京錠も取り付けられて、そこまでしてあゆみを出したくないのかと思うほど厳重だった。
「あゆみ! 今出してあげるからね!」
部屋の外から私が呼びかけている間に、龍平が壁に手を突いて鍵を取りに行った。
龍平が武司さんの部屋から南京錠の鍵を持ってきて、それでドアを解放した。
部屋の中には、あゆみが「信じられない」といった様子で私達を見ていたけど……ボロボロで血を流している龍平が言った言葉で、すべてを理解したようだ。
「よう、あゆみ。久し振りに武司さんと語ってきたぜ。これでよ」
ニッと血まみれの歯を見せて笑い、拳をあゆみの目の前に突き付けた龍平。
「よ、良かった。もしかして、今日もふたりは殺されちゃうんじゃないかって……不安に……」
「そうなったとしても、あゆみのせいじゃないって言ってんじゃない。でも、私達はまだ死んでないよ」