出る事ができないなら、カラダ探しをするしかない。
赤い人に見つからずにカラダを探してしまえば、それで終わると言うなら、さっさと校舎に入ってカラダを見つけよう。
ここに来た以上は、それしかする事がないのだから。
生徒玄関まで戻った私達を待っていたのは、開いたドアと、その突き当たりでライトアップされて並ぶ、私達の首だった。
「せめて中に入るまで待ってよ……なんでもう照明がついてるわけ?」
あの首を見ながら中に入るのは抵抗がある。
私はうつむいて、なるべくそれを見ないように生徒玄関のドアをくぐった。
全員が中に入ったと同時に閉まる背後のドア。
小野山美紗の姿は見えないけど、今、この瞬間からカラダ探しは再開されたのだ。
「ねえ、もしかしてさ、あそこの電気がついてるって事は、廊下とか教室もつくんじゃないかな? 誰か試してみた?」
ナイスアイディアとばかりに、あゆみが手を叩いて提案したけど、健司は冷静に首を横に振る。