マネキンの何を調べれば良いのか、私にはさっぱりだけどね。
これが龍平と私だったら……何も思い付かずに、結局美紗任せになるのは目に見えてるから。
「しっかりしてよ? 今日がダメなら私達、皆死んじゃうんだからね」
「分かってるよ……」
分かってるけど、この気持ちはどうすれば良いんだろう。
好きにならないって決めたのに、すごく龍平が気になっているから。
お弁当箱を片付けて、家の中に戻った私達は、美紗に連れられて例の地下室がある通路の前に来ていた。
何でも、赤い人のカラダの一部を見つけたら、やらなければならない事を私達に教えるためだとか。
暗い通路を抜け、数日前に皆で動かした棚の奥、地下室へと続く階段を下りながら。
「私はいないから、あなた達に任せるしかないの。カラダを手に入れたら、迷わずここに来なさい。迷ったら……死ぬわ」
何も言っていないのに、いきなり私達に脅しをかけてくる。
ここに来る? カラダ探しの途中で?
それとも、殺されて目が覚めた後に?
「いつ来れば良いのよ。詳しく教えてくれないと分からないんだけど」
階段を抜け、異様な雰囲気の地下室。
あの時とは違って、誰も気分が悪くなる様子がない。