もともと、私がいなくても進められる話なんだから良いんだけど。
「じゃあ、分かれて調べた方が良いよね。健司のカラダを探すのと、マネキンを調べるの」
「そうしてくれるとありがたいわ。私ひとりでは、限界があるもの」
「だったら、ここにいない龍平とあゆみに、健司の方を手伝ってもらうよ。カラダを探すだけなら、説明しなくても良いから」
あーあ、屋上で少しでも本当の事を言えてたらなぁ。
龍平を傷付ける事なく、あやふやな感じで断ってたら、今すぐにでも後を追って、見守る事ができたのに。
「留美子、それで良いよね? 私達で、小野山さんを手伝うの」
美雪の言葉でさえ、私の耳は右から左。
身体を揺すられて、やっと何かを言われていた事に気付いた。
「えっ!? ああ……な、何の話?」
まずい……何も聞いてない。
美紗とか健司の名前は聞こえたけど、話の内容は全然だよ。
「もうっ! 私と留美子でマネキンを調べて、龍平とあゆみが健司のカラダを探すって話! ボーッとして……いつもよりひどいよ?」
「あー、うん。それで良いよ。美雪と美紗がいれば、謎なんてすぐに解けるっしょ」