「つまり、他にも何かを伝えようとしてたって事だね」


龍平を気にする事なく、夜の校舎での話を続けるふたり。


「それより、俺のカラダがどこにあるか知らないか? まだ探してない場所とか」


さらに健司も加わって、話は盛り上がっていく。


確かに、カラダ探しでの行動を今のうちに決めるのは大切なんだけど。


私は、龍平の方が気になっていた。


「健司のカラダは見てないけど、まだ調べてない所はあるかな。玄関前のホールなんだけど」


「俺が言ってた場所か。あの時、体育館に行かずに調べてればなぁ」


皆の会話も上の空で、考えているのは龍平の事だけ。


何を話していても、私の頭の中には入って来ない。


「そういえば、旧校舎には隠されてたりするの? 行った事ないんだけど……」


「ないと思うわ。校内放送でも、赤い人が旧校舎に現れたって言ってないでしょ?」


「だったら、もうそこしかないよね。そこにないなら、もう一度全部の部屋を調べ直さないと」


今頃龍平はどの辺りにいるかな。


ボーッとしている私をよそに、皆の話は進んでいく。