案の定、ジッと私のお弁当を、物欲しそうに見ている。
そんな龍平のお弁当は……野菜中心のヘルシーメニュー。
酢の物まで入って……汁がご飯に染みて変色しているよ。
「な、何よ龍平。食べたいなら食べれば? 野菜ばっかりじゃ、力出ないでしょ?」
「え? ああ……悪いな」
私は何してるんだろ。
龍平が食べるかな? と思って作ってきたのに、その前に龍平にひどい事を言って。
カラダ探しなんてしてなかったら、こんなに悩まなかったのに。
お弁当を食べながら、話は記憶の事に。
何か見ていないかと、美紗が美雪に尋ねると、何かを思い出しているような表情で。
「えっと……赤い人が何かを伝えようとしているんだよね?」
美紗が欲しい情報はそれだけど、そんなのあるはずないよね。
「見た……かも」
見たんだ!?
いやいや、赤い人だよ?
あの殺人鬼が殺す以外に何をするってのよ!
「できるだけ詳しく教えてほしいわ」
「んとね、赤い人が大職員室で待ってるの。で、私ひとりで赤い人と話をして、その後に屋上で赤い服を着た女の子を……」