いくら武司さんの意識の世界とは言え、17年間生きてきたんだから。
呪われた血を、呪いから解き放つために死ななければならないなんて……17歳の女の子には重すぎるよ。
美紗の話し方も、きっと本心を隠すための演技だったに違いない。
そう考えると、私は美紗に何も言えなくて。
横になる美紗に、覆いかぶさるように抱きしめて、頭をなでた。
そのままの状態でしばらく泣いて。
皆が戻って来て、慌てて私は美紗から離れた。
美紗もその時には涙が止まっていたようで、皆には疑われなかった。
この部屋で昼食をとるにはかなりほこりっぽいから、外に出てお弁当を食べる。
美紗の身体もなんとか歩けるくらいに回復していたから、支えられて移動。
玄関前に腰を下ろして、各々お弁当を広げる。
「うわっ、留美子のおかず、男子が好きそうな物ばかりだね」
彩りも何もない、茶色一色のお弁当を見て、美雪が声を上げた。
うっ! まさか、龍平が好きそうな物ばかりを入れたなんて言えない!
「れ、冷蔵庫の中にこれだけしかなかったの! ママはちっとも買い物に行かないんだから」
慌てて嘘をついたけど……龍平の反応はどうかな。