「そうね。私ひとりでは限界もあるし、お願いするわ。もっとも、相島さんの記憶に重要な情報があれば、すぐに終わるかもしれないけど」


美紗は記憶っていうけど、いったいどんな記憶なら良いのかが分からない。


「どんな情報を聞きたいのさ? 記憶って言っても、皆で話してるのしかないんだけど」


「私が求めているのは……赤い人が何かを伝えようとしている記憶よ」


赤い人が何かを伝える?


いやいや、笑いながら殺しに来る事はあっても、伝えようとしている赤い人なんて見た事がないよ。


そんなの想像できないし、ないんじゃないかな?


「美雪がその記憶を見た事を祈るしかないね。それが分からなかったらどうするの?」


「その時は……中庭が穴だらけになるわね。赤い人に殺されるまでという制限があるけど」


そんな無茶な。


仮に私達が全員手伝ったとしてだよ?


赤い人に見つかれば、あっと言う間に何人か殺されてしまう。


もしも美紗が赤い人を止めてくれたとしても、今度は美紗が赤い人に殺されるまでにカラダを見つけなければならないと考えると……どちらも成功しそうにない。